犬飼無概の人生講座 その1-3

3/5
前へ
/22ページ
次へ
時計を見る無概。 時刻は七時五分、運動部の部員は今頃朝練をしていて、その他の帰宅部や文化系の部員ならもう少し遅く登校するとても中途半端な時間帯。 時間でも潰していくか。 いつもより早く学校に行った所で特にやる事もない。 どうするか、考えながら再び時計を見る。 「おはようございます無概先輩。 ……、先輩と別れてから十一時間と三十七分と三十二秒ぶりの再開ですね」 不意に腕時計を着けていた腕を掴まれ、横から声をかけられた。 急に腕を掴まれた事に、一瞬ビクリと身体を振るわしたが、その人物を見るやいやな呆れた様に溜め息を洩らす。 相変わらず神出鬼没な奴だ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加