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「……ああおはよう円、挨拶はいいが朝から俺を驚かす真似はいい加減止めろ」
ぶっきらぼうに答える無概、その隣ではクスクスと笑い声を上げながらじっと此方を見つめる同じ高校の女子高生が一人。
無概よりも頭二個分低く、下から上目遣いで見詰めその表情はとても嬉しそうでどこか恍惚としている様にも見える。
「ふふっ、それはすいませんでした先輩。
でも、私はただ先輩にいつもの様に朝の挨拶をしただけですので」
悪びれる事無く、相も変わらずクスクスと笑う少女に、呆れながら軽く睨み付ける無概。
しかしそれも笑顔を返す少女。
そんな少し変わった少女の名は周 円(あまね まどか)
公立千ヶ崎高校に所属する無概より一つ下の学年の生徒であり
制服の胸ポケットに指してある特別な名札のプレートを付けた学年毎に集められた特別クラスに席を持つ秀才の一人。
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