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ーーーーここは、緑にあふれた世界で一番海の多い国・ハゼルア王国。
漁獲量もズバ抜けて高く、人口も比較的多いため、この辺りでは一番大きな国と言われている。
そんなハゼルア王国の中でも一番賑やかな都市の、一番高い所にそびえ立つ…それは美しく大きなお城の中。
美しい装飾が並ぶ廊下でたくさんのメイドが働いている。
その様子を横目で確認しつつ、第二姫君担当の執事長が優雅に歩いてゆく。
目的の部屋の前に立ち、紅茶セットを手にした執事長がドアをノックする。
コン
コン。
「姫様。」
執事が立つドアの前は、外からの陽気な日差しで明るい。
ドアももちろん最高級の細工の施されており、一級品。廊下やシャンデリアにも埃ひとつない。
なぜなら、ここは王宮。国王や王妃から王子、第二姫君であるエレーナまで。
国王一家が暮らしている城だから。
「姫様―?」
コン。
コン。
「姫様…」
…………?
ノックをする手を止め、急に不安に駆られ始めた執事がそのドアのノブにとっさに手をかける。
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