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プチット族は黄色い肌と尖んがった耳を持った小さな魔物だ。そんな彼らが住むここは小さな小さなプチット族の村である。
いつもはのどかな村なのだが、魔王復活の噂が流れ始めてから様子がおかしい。いつもだったら今頃はもう暖かい春が来ているのだが今は冬のような寒さである。
「はぁ~疲れたぁ」
ため息をついたのはこの村の英雄とされているプチット族の子孫の「プチヒーロー」、プチヒロである。
黄色い頭に逆立った黒髪が特徴的な彼は英雄の子孫であるため魔王復活の噂が流れ始めたらすぐに剣と魔法の訓練をしなければならないのだ。
「今日も魔法が出なかったなあ」
プチヒロはつぶやいた。プチヒロは英雄の子孫である自分が魔法を出せないことにコンプレックスを感じているのだ。
そもそも魔法というのは自分の中のエネルギーを使い自然現象などを強制的に引き起こすものだ。
プチット族は魔法のエネルギーがほぼ皆無である為魔法を使う者は稀だ。だからプチヒロに魔法を教えているのは隣の村の魔法が盛んなフントの村に住む「はなまどう」のマーリンに教えて貰いに行くのだ。
「はなまどう」とは植物と一体化した老魔術士である。
マーリンの教えは悪くないのだがやはりプチット族に魔法は難しいようだ。
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