第一章~私の存在理由~

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ドクドク ドクドクッ…… 教室の隅で私は彼女達が来るのを心待ちにしていた。目撃した場所から、この教室までは3分と掛からない。こういう時の時間って本当に長く感じるんだよな。 そんな事を考えていると、僅かに開いた教室のドアの隙間から楽しそうな声が微かに聞こえてきた。 間違いない彼女達だ。 彼女達には、私の気持ちなんて理解出来ないだろう。話す相手がいるって本当に幸せな事だ。無視され、名前さえも呼んでもらえない私の気持ちを分かるはずがない。 笑い声が徐々に近付くる。そして、教室のドアが静かに音を立て開かれた。
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