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「キャハハハ!!見て見て、真希!!汚い蚊が苦しんでるよぉ」
「ホントだぁ。汚い虫が苦しむ姿って面白いねぇ」
痛みで目も開けていられない状況の中、二人は楽しそうに会話をしている。
私は、虫じゃなく北澤紗英という一人の人間なんだ。二人の言葉は目の痛みよりも凌駕した。
根暗な不細工、服装のセンスだって教室にいるみんなよりも劣っている。
だけど……
「私は、虫なんかじゃない!!!北澤紗英って名前の人間だよ。今の言葉訂正してよ……」
光も当たらない暗闇の中、私は二人に対し言い放った。
「…………」
二人からの返事は何もない。私の悲痛な叫びが通じたのかは分からないが沈黙を保ったままだ。
二人に対する怒りは未だにあるものの、目を洗おうと痛みをこらえ薄目を開け教室のドアを目指した。
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