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教室に向かう途中、窓越しから校庭にある時計をふと眺めた。
時刻は11:49分――
四時限目の終盤くらいだ。校内は話し声一つ無く、私の歩く音でさえ反響し耳に届く。
それに外は天気も良く、校庭を眺めているだけでも病んだ心を浄化してくれる。そう考えたら、世の中平和だなぁって思う。私の学校生活もこんな風に、さざ波一つなく静かに過ごせたらどんなに楽だろう。
私の背中に羽でも有れば、自由に大空へと羽ばたけるのにな……。しかし、そんな夢物語あるわけない。
太陽の光も当たらない地面の上で、惨めなメス虫が一匹蠢いているそれが今の私だ。
教室に一歩近付くにつれ私のか細い心は抉られていく。
そんな身も心もボロボロの状態の中、敵だらけの教室に到着した。このドアを開ければ、再び地獄へと舞い戻るのか……。
何時までも突っ立ってるわけにはいかないよなぁ……。私は、覚悟を決め教室のドアを開けた。と同時に、クラスメート全員の視線が私に集まった。
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