~貞子とチェンメ~

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どんなに中傷されようが無視してやる!! そう心に決めた私は、彼女達の会話に反応する事無く心の内に笑いを留め、ただ下を見つめ言葉を流した。 暫くして担任が教室へとやってきた。途端、あれだけざわついていた教室内は一瞬にして静まり返った。 私の席は、教室の窓際にある。だから、彼女達が影で何をしているのか手に取る様に分かる。一部の人間は携帯を手にコソコソと動かしている。そんな事を知ってか知らずか担任は淡々と朝礼を進めていた。 しかし、担任のある一言で静かな教室内が再びざわつきどよめいた。担任の放った言葉は、明日抜き打ちの学年全体で模擬試験をやるという内容の話だった。 大半の生徒は寝耳に水で、悲鳴とも愚痴とも取れる発言を担任に向け繰り返していた。私は彼女達とは真逆の反応だった。話を聞いた瞬間、思わず顔から笑みが零れた。 
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