第一章~私の存在理由~

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名前という固有名詞を出され中傷された日々が懐かしい。 今の私は、教室内にいる生徒誰からも見向きもされない。 存在自体が消滅していた。指をさされ馬鹿にされていた、あの日々に戻れば良いなぁなんて思う事もあった。 いつから『無視』され始めたかは自分でもよく覚えていない。 根暗な性格で、自分からは勇気が無くて声を掛ける事も出来ない。当然ながら、友達なんて呼べる存在もいない。 だから、名前で呼ばれるなんて事は中傷される以外ではなかった。 今クラスの中で、『北澤紗英』という存在は完全に無くなっていた。
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