第一章~私の存在理由~

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黒板に精一杯のアピールをし終ると、隔離された窓際の席へトボトボと歩き座った。 「みんな、早く来ないかな」 そんな独り言を言いながら、私は知った顔が来ないか窓の外を静かに見つめていた。すると、同じクラスの子が二人仲良く登校してくる姿を目撃した。 「一体何話してるんだろ……。それにしても楽しそうなだなぁ」 今の私にとって、その光景は夢のようだった。教室内で無視され、空中分解した今の私の存在と比べたら言うまでもない。 彼女達は、黒板のメッセージをどう受け止めるだろう。気付いてくれと言わんばかりにでかでかと書いたのだ。何かしらの反応はあると思う。 私は、彼女達が教室に来るのを今か今かと心待ちにしていた。
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