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「第一小隊は既に彼を捕捉し、接敵しているそうだ。
今回は第二小隊が俺達を援護してくれる」
横合いに目をやると、ライフルを構えたアメリカ兵達が、安全確認を行いながら前進しているのが見えた
「あれが第二小隊ですね。
頭数が減ったもんだ…
ペッパーは生きてますか?」
俺の言葉に、ブルータス少尉は静かに笑いながら、第二小隊の兵士達に手をふった
「第二小隊!
第二小隊こっちだ!」
ペッパーが真っ先に気付き、俺の方に手を振り替えして来た。
俺はトンプソンを構えながら、手を振り替えしてやったが、その時、遠巻きから爆発音と機関砲らしい音が聞こえて来た。
ドイツ軍は88mm砲と20mm機関砲で防御を整え、意地でもシュトッツ・ディートリッヒを渡さないつもりらしい
「第一小隊は、かなりの損害を被っているそうだ。
シメてかかれよ?」
ブルータス少尉の緊張に満ちた言葉に、俺は思わず固唾を呑んだ。
88mm砲。
もうウンザリする程聞き慣れてしまった兵器の名だ。
その破壊力は、シャーマン戦車をいとも簡単に粉砕する
「ドーマン!
無線の支度をしておけ!
隊列を乱すな!
第二小隊と合流し、今からブライアン大尉達の援護に向かう!
ぬかるなよ各員!!」
ブルータス少尉の檄に、隊員達の返事が返って来る
「フランク。
ミシェルとドーマン。
それからモーリスとブラッドリーを連れて先行しろ。
第二小隊からも誰かが出るはずだ。
頼んだぞフランク」
俺はブルータス少尉の言葉に返事をし、ブラッドリー達を手招きして呼び寄せる
「機関銃チームの指揮はネイスンが?」
俺の言葉に、ブルータス少尉はネイスンとロイ達を見つめながら答えた
「アイツらにも良い経験になる。
もし仮にブラッドリーが戦死したら、アイツらが判断して戦うしかないからな…
それにBARの支援をつけてやらねば、本当は、お前達だけに先行させたくもないのも本心だ…。
だが……」
「これも作戦ですか?」
言葉を遮った俺に、ブルータス少尉は笑みを浮かべながら続けた
「そうだ。
頼んだぞフランク」
「了解です少尉。
期待に沿える様に頑張ります」
俺の言葉に、ブルータス少尉は静かに頷いた。
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