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ゆっくりと、それでいて高速に放物線を描く三発の手榴弾。
それらが20mm機関砲を操作していた兵士達の足元に落ち、ドイツ兵達が手榴弾を投げ返そうと一斉に行動を起こした
「仕留めろ!
殺れっ!
殺るんだぁっ!!」
ブライアン大尉がトンプソンのフルオート射撃をかけ、手榴弾を拾い上げたドイツ兵を、蜂の巣の様にボロボロの穴だらけにした。
直後に爆発した手榴弾で、そのドイツ兵の腕もろとも、手榴弾は機関砲を操作していたドイツ兵達、ズタズタに吹き飛ばした
「前進!
前進だぁっ!!」
ヘンリー少尉の叫びがこだまし、隊員達は息のあったドイツ兵達を撃ち殺しながら、建物の中へと入って行く
「遅くなりました大尉!
第三小隊のフランク軍曹です!!」
俺達が到着した時には、既に建物の中から銃声や断末魔の悲鳴が聞こえていた
「ご苦労だったな軍曹!
これより88mm砲を潰す!
付いて来い!!」
ブライアン大尉はトンプソンのマガジンを交換し、空になったマガジンを捨てて走り始めた。
俺もマガジンの残弾を確認しながら、BARやライフルを構えるブラッドリー達を引き連れ、ブライアン大尉を追って建物の中に侵入していった
「逃がすな!
例の士官以外は片っ端から始末しろ!!」
ドアを蹴り破る音や手榴弾が爆発する音が立ち込め、建物の中は熾烈な近距離白兵戦の舞台となっていた
「88mm砲はこの部屋の中だ。
士官の確保はヘンリー達に任せよう。
ワン、ツー、スリーで突入する。
…ワン……」
ブライアン大尉は、ベルトに着いた二発の手榴弾を取り出した
「…ツー……」
安全ピンを引き抜き、手榴弾の信管をオンにする
「…スリー!」
ブライアン大尉がドアを蹴り破ると同時に、部屋の中に手榴弾を二発投げ入れる。
俺達は一斉に壁に張り付き、爆発の衝撃に備えた
「グラナーテェッ!!」
ドイツ兵の叫びが聞こえたと同時に、部屋の中で二発の手榴弾が爆発した
「行け行け行け行け!!」
ブライアン大尉が室内にトンプソンのフルオート射撃をくわえ、俺達の援護射撃を行ってくれた。
俺達が室内に突入した時、中では死にきれないドイツ兵達が呻き声をあげながら、部屋の床を自らの血で染めていた………。
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