第一章「日常」

5/20
前へ
/87ページ
次へ
それか、兄妹。だろうね。 レイがフィオーネ家に来たのは10年前。 私が7歳の時だ。 病気でお母様を無くし、落ち込んでいた私を見兼ねて、お父様が雇った私専用の執事。 それがレイだ。 当時は人見知りが激しく、全然懐こうとしなかった私だったが、レイの明るさと優しさに、少しずつ心を開いていった。 そしてレイは、瞳の色も綺麗だった。 とても鮮やかな碧(みどり)色で、茶色い髪によく似合っていた。 「・・・ようやく準備が整いましたね。ではロビーへ参りましょう。車が来ているはずですから」
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加