混乱の窓

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 潮の満ち引きが足首を洗う。  彼方に見える船が汽笛を鳴らしている。  シルクに包まれた赤子、優しく胸に抱く母の俤。  父の影は波にさらわれ消えていった。  眠たい目を見上げてみれば、夜空を流れ星が手を振って去っていく。  夜の空に光の筋が通ると、それは広がり朝を迎えた。  流星は戯れに朝日を残した。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!