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俺はあの日…
「…圭、用意できたの?」
お袋が耳の近くでコソコソと喋りかける。
俺は唾をのみこみ早々と頷く…
親父が大きい荷物を持ち、夜空の下、早くしろと合図をする。
まだ9才の妹が眠たい目をこすり、親父の後ろをトコトコ着いてゆく。
俺はバッグに、2年2組と書いた教科書を詰め込む。
皆で車に乗り込むと、ヌイグルミを抱えた妹が聞いてきた…
「お兄ちゃんどこ行くの?紗枝、暗いの怖いよぅ…」
心が痛む…
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