12/17
前へ
/32ページ
次へ
────────────  或日、おれは何時ものように授業を受けていた。先生は何時ものように大きな声で発音し、有本に聞き漏らしの無いように努めていた。 「うわああああ!」  突然、──何の前触れも無しに有本は叫んだ。先生は教科書を捨てるように置いて、直ぐに駆け寄った。おれが有本の方を見ると、有本は頭を押さえて唸っていた。 「大丈夫か!?」  先生は背中を擦って有本に声をかけた。しかし、有本は唸ったまま頭を抱えて、返事すら出来ない様子だ。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加