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 教室中、騒然となった。 「笠原、保健室に運ぶぞ!」  いい忘れていたかもしれないが、「笠原」 とはおれの名字だ。先生は、おれを呼んだ。おれは先生の言うがままに動いた。 「皆、休み時間でいいよ。」  先生はそういった。それからおれと先生で有本を担ぎ、保健室への階段を駆け下りた。  十分後、有本は救急車に運ばれていった。保健室の出した結論は、原因不明。おれは黙ることしか出来なかった。 「じゃあ、病院行ってくる。笠原、おまえは待ってろ。」  先生はそういって、学校から出ていった。  ……。
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