盲目少年

三

　おれは小学校の同窓会に参加しようと地方からはるばる新宿にやって来た。新宿とは実に華やかな場所だ。人が賑わい、まるで別世界のようだ。醸し出しているオーラのようなものが、おれの住む新潟市とは全然違う。人の雑踏、立ちはだかるビルの数々……

　同窓会の会場は駅の近くにあった (田舎者のおれが思う限り) 。和の匂いがぷんぷんと漂う、屋敷のような建物だった。見た瞬間、田舎者独特の感動を味わった。

　皆とは実に二十年ぶりの再開だ。中学、高校の同窓会には行っていない。だから、松本以外誰とも二十年ぶりの再開なのだ。もしかして有本がまだ生きていれば、来るかもしれないぞ。菊池先生にも会えるかもしれない。そう思うと戸を開けるのは楽しみだった。