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 会場は盛り上がっていた。高笑い、爆笑。それは昔の教室と変わりなかった。誰かが、昔見た幽霊だの何だのの話を始め、会場はさらにボリュームを上げた。 「金縛りにあってよぉ、体が動かねぇんだよ。んでな、おれは確かに声を聞いたんだ。『愛してるぅう』って。『愛してるぅう』」  それを聞いていたものたちは大声で笑う。酒に酔っているらしかった。  おれはそいつらを無視し、吉野さんと話をした。 「そういえば、先生は?」 「先生は来れないみたい。」 「そうか。……おれね、教師になったんだぜ。」 「教師に!? 凄い!」 「まあ、中学のだけど。ガキはうるさくてね。」
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