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もう我慢できない。
あたしもともと頭おかしいけど
もっともっと頭おかしくなりそう。
それでも仕事に行く。
それでも好きでもない男に身体を触らせて
しゃぶってやった。
もう限界だった。
あたしはあの日彼に会った30分間
それだけで変わってしまった。
キスだけでいいの。
いや、何にもしなくていい。
会えるなら‥
彼の体温が欲しい‥
また泣きそうになった。
シロ~
指名入ったよ~
馬鹿店長が呼びに来た。
元気ないじゃん
大丈夫か?
あぁ
とだけ返事をした。
聞きたいのはお前の声じゃない。
いらっしゃいませ~
とカーテンを開ける。
こんばんは。
と低くて静かな声。
言葉が出なかった。
目の前に座っているのは
黒い髪で肩はごつごつして
少し色白で
綺麗で強くて切ない目をした彼だった。
もぅ忘れちゃったかな?
と照れたように笑っている。
言葉の代わりに涙が出た。
あの‥
あたし貴方にずっと会いたかったんです。
あたし貴方に会いたくて‥
彼はビックリしていた。
あたしはずっと突っ立って泣いた。
店内で流れるJPOPが
一瞬だけ止まった気がした。
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