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写真指名用の電光掲示板の前に立つ彼をカーテン越しから見た。
細い身体。
少し長めの黒い前髪が揺れると時折奥にある目を見せる。
強くて
でもすぐにでも涙がこぼれてしまいそうな目。
まるでルーヴル美術館のモナリザでも観賞しているかのように
冷静で知的で美しかった。
胸の奥や子宮の奥の奥がズキズキと痛み
脳内の細胞達はザワザワと動きはじめ
あたしの腟はどんどん濡れていく気がした。
すかさず馬鹿店長が接客しに行く。
さっきまでの怒りを忘れ
ぼーッと突っ立っているあたしに小声で
ほらッ用意してッ
なんて言う馬鹿店長。
軽く舌打ちして店に戻る。
心の中ではワクワクしながら。
あの人何しに来たんだろ?
あの人手でイカせてくれるかな?
あの人上手かな?
あの人の身体触りたいな
そんな想像ばかりする自分が恥ずかしくなる。
おいッどーしたシロっ
あんなんただのガリガリ君じゃんかよッ
ガリガリ君相手に何濡れてんだよッ
どーしたシロっ
って。どーしたもこーしたもトキめいちゃってるのは事実だけども。
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