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「火を見てると浮かんでくるんです。若い君主、傷だらけで彼を守り続ける護衛。仇敵だといがみ合う同僚達、尊敬する先輩。そして忙しいけど幸せな毎日を送ってる自分。何時の出来事かは全くわからないんですが、私はそこが本当の居場所だと思ってるんです」
そう語る彼が陸遜伯言だったこと、話に出てくる人物は彼が仕えた国の人々であることを僕は知っている。教えてあげたいのは山々だが、彼の主治医に止められている。彼が思い出すことが一番の治療なのだそうだ。
「時間よ」
彼の主治医が僕を呼んでいる。僕の先生は仕事場に籠もっていることが多いので、いつも彼女や他の医師が呼びに来る。
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