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細い腰を震わせてしならせた身体をシーツに沈ませると、髪を優しく撫でた信長がその瞳を覗き込んだ。
「お蘭、お蘭はワシが好きか?」
いつになく瞳を揺らがせたその顔に首を傾げる
「はい、蘭は殿をお慕いしております」
「ワシが何をしても…か?」
「何があろうと私の気持ちはかわりません」
信長は情が深く人情溢れる性格をしていたが、非道で激しい面もまた持ち合わせていた。
信長が留守の間に、仕事を止め遊びに出かけた侍女達を手打ちにしてしまうなど、現代では考えられない非道な事を目の当たりにした蘭丸は、しばらく口もきけない程の衝撃を受けたが、それでも想いは変わる事はなかった。
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