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「光秀殿、どうかなさいましたか?そのような難しいお顔をなされて」
「蘭丸殿…」
安土城に登城していた家臣の一人、明智光秀のただならぬ顔に、蘭丸は思わず声をかけて呼び止めた。
「殿は何ゆえ佐久間殿にあのような仕打ちをなされたのだろうか
あの方は殿にとってはなくてはならない程の重臣だったはずではないか
次々と家臣を追放されるのは何故なのであろうか
……私とていつ何があるか分からないという事か?」
「何を言われます
殿は光秀殿の事をとても大切に思っております
殿には殿のお考えがあっての事でございましょう」
相次ぐ家臣の追放に不安と不信を抱き始めていた光秀の心に、暗い影が落ちはじめていた。
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