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診察し終わって部屋を出た
頭が真っ白だった
「‥‥‥じん」
だけどかずの声は聞こえた
「一人にさせて‥‥」
かずには悪いけど一人になりたかった‥‥
「じ‥‥ん」
泣きたくてたまらなくて大声でかずに言った
「早く‥‥‥
行けって言ってんだろ!」
壁を殴り泣きながら言う俺‥
血が出そうなくらい握りしめてる拳も震えてる
格好悪い自分がいる
泣きたくなかったかずの前では
抱き付いてきたかずに俺は痛いぐらいかずを強く抱き締めた
俺は声を殺しながら泣いた‥
「っ‥‥かず‥‥」
「俺‥歌えなく‥‥なるなんていや‥だ」
自分が怖くなった
だって
一番大好きな歌が
歌えることができないっ――‥
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