アナトリア

4/17
前へ
/83ページ
次へ
その中にたたずむ、この場に似合わないほどに白い巨人がいた。 プロトタイプネクスト、ALETTHAだ。 このネクストは、悪魔の兵器と呼ばれ、それに見合った性能を誇っている。 だが、一介のリンクスがこれを操ろうとしたら、まず動かすことすら出来ないだろう。 どんなネクストとも似ていない外見。 その右腕に持ったバカでかい五連装ガトリングを、いとも簡単に持ち上げ、アナトリアに向かって更に撃ちまくる。 一体、こんなにも非情なことをするのは誰なのだろう? 今、このネクストを駆っているのは、コロニーアスピナの英雄、ジョシュア・オブライエンその人なのである。 何故、彼がこんなことをするのか? 簡単なことだ、彼もまたリンクスだからだ。 リンクスは、かつてのレイヴンと同じ傭兵であり、企業の命令には絶対に従うのだ。 ジョシュアは、オーメル・サイエンス・テクノロジーの依頼に従って、このアナトリアを襲撃した。 このプロトタイプネクスト、ARETTHAも、オーメルから渡されたものだ。 更に激しく燃え上がる炎。 そんな中、少し離れたところから一つの光がこちらに向かって飛んできた。 間違いない、オーバードブースト(以後、OB)によるブースターの光である。 その光は、ARETTHAに近づくとOBを止めた。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加