恐怖への落とし穴。

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      俺達2人は、仲良く揃って真弓の説教を受けながら、自分の座席へと着いた。 俺の席はクラスで言うと、特等席とも言えるだろう。 なんせ窓側の1番後ろの席なのだから。 毎日、晴れの日も雨の日も曇りの日も……退屈な授業の時はいつも窓から空を眺めていた。 一方凌の座席は最悪。 丁度真ん中の列の1番前。 居眠りをしようものなら、直ぐさま気付かれ怒られていた。 本当にあいつはついてない。 そんな事を考えていると、ホームルームが始まった。 長々と担任が夏休みの注意などを話す。 その後は、毎回恒例の成績表が早々と配られ、各自帰宅となった。 みんなが帰宅しているというのに、案の定遅刻した俺達は職員室に呼び出され、担任にこっぴどく説教を食らうはめになった。 「あー、マジ住山の説教だるかったな」 凌が職員室から教室に戻る途中、首を回しながら言う。 住山(すみやま)とは俺達2年3組の担任、いかにも教師って感じの真面目そうな男である。 「俺、もう慣れたわ」と返事をしながら教室まで歩く。      
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