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~誠の家(家前)~
次の日、朝一番で帰ることになった。蓬は、最後にひと目亮成を見たかったが、そんな時間はなかった。蓬は、ここに残りたいという気持ちから、車に乗るのをしぶっていた。しかし、時間の都合で車に乗った。
~路地~
車に乗って少し経った頃、いつもの森の前を通った。その時、亮成の姿が見えた。蓬は慌てて言った。
「止めて!」
則子は、突然のことに驚いたが、すぐに車を止めた。車が止まると。すぐに蓬は車を降りた。
「ちょっと蓬!?」
則子は、蓬を止めようとしたが、蓬はすぐに走っていった。
「亮成さん!」
蓬は、亮成のもとに走りながら言った。亮成も、蓬のもとまで走った。2人が会うと、すぐに、蓬は泣きながら言った。
「来て・・・くれたんですね・・・」
「当たり前じゃないか」
亮成は、蓬を見ながら言った。
「嬉しい・・・」
蓬がそう言うと、亮成は蓬を抱きしめた。
「私・・・亮成さんのこと・・・」
蓬は、泣きながら言った。亮成は、さらに蓬を抱きしめた。
「本当に大好きです・・・」
蓬は、思い切って言った。
「俺もだよ。蓬ちゃん・・・」
亮成は、蓬を抱きしめながら言った。2人は、しばらくそのまま抱きしめ合った。そのあと、亮成は首に付けていたネックレスの指輪を取って言った。
「これ、蓬ちゃんにあげるね」
「えっ!?これって・・・」
蓬は、驚いて言った。
「最後の思い出!」
亮成は笑って言った。蓬は、指輪を受け取ると走りながら言った。
「ありがとう!」
亮成は、蓬がいなくなるまで手を振り続けた。
~車内~
車に戻った蓬は、則子に謝った。
「ごめん。お母さん!」
「もう行くわよ」
則子は、少し怒って言った。再び走り出した車の中で、蓬の指には、亮成からもらった指輪が光っていた。
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