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~テーマパーク(通路)~
南美は、統司に出来るだけ明るく接した。昔は、統司も明るく話していて、互いにとても楽しい時間を過ごしていた。しかし、最近は統司が南美に対して冷たく接している。南美は、そのことを統司に気付いてもらおうと必死だった。
「昔、よくここ来たよね?」
南美は統司に聞いた。
「そうだな。」
統司は、周りを見ながら言った。南美は、統司の態度に苛ついたが、統司に何か理由があると思い、その気持ちを抑えた。
「これからどうする?」
統司は、相変わらず素っ気なく聞いた。
「今度は、あっち行ってみない?」
南美は、1つの通路を指差して言った。
「ああ。」
統司は、その通路のほうに歩き出した。南美は、統司の横を歩きながら、思い切って聞いた。
「統司・・・。なんか、最近素っ気なくない?」
「そうか?普通だと思うけど・・・」
統司は、普通に言った。
「普通じゃないよ!」
南美は怒って言った。統司は、少し驚いた。南美は、そのまま続けた。
「私・・・不安なの・・・。統司に、私は必要ないの?」
「そんなことない・・・」
統司は静かに言った。
「じゃあ何で!?」
南美は、少し泣きそうに言った。
「それは・・・」
統司はそう言うと黙ってしまった。
「言えないんだ・・・」
南美はそう言うと、泣きながら走っていった。統司は、そんな南美を止めようとした。しかし、今の自分には何も言えないと感じた。
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