ひと夏の恋

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~誠の家(家前)~ 1台の車が、1件の家の前に止まった。その車から、1人の少女が降りてきた。 「うーん。いい空気!」 少女は、大きく伸びをして言った。彼女の名前は、梨宮 蓬。夏休みを利用して、母の帰省についてきたのだ。 「いいところでしょ?」 蓬に話しかけたのは、蓬の母である梨宮 則子であった。蓬は、則子を見ると笑顔で言った。 「うん!」 2人が話していると、家の中から1人の老人が現れた。老人は、明るく2人に話しかけた。 「よく来たね!疲れただろう。さぁ、入りなさい」 「おじいちゃん!」 蓬は、喜んで言った。その老人の名は、丸橋 誠。蓬の祖父で、則子の父である。誠は、蓬を見て言った。 「おお、蓬!大きくなったね。元気だったかい?」 その言葉を聞くと、蓬は少し照れながら言った。 「うん。おじいちゃんは元気だった?」 「もちろん。おじいちゃんも元気だったぞ!」 誠は、明るく言った。則子は、車から荷物を取り出しながら言った。 「蓬!荷物下ろすの手伝って!」 「はーい!」 蓬は元気よく返事すると、則子のもとに行った。その間、誠は玄関を開け、荷物を入れる準備をした。 ~誠の家(蓬の部屋)~ 誠は、蓬と則子に1部屋ずつ部屋を用意した。蓬は、自分の荷物を部屋に置くと、窓を開けた。窓からは、暖かい日差しと爽やかな風が入ってきた。 「気持ちいい!」 蓬は、外を見て言った。蓬は、ここがとても気に入った。そして、もっと周りのことを知りたくなった。そう考えた蓬は、急いで居間へと走っていった。 ~誠の家(居間)~ 蓬が居間に行くと、則子と誠がいた。 「どうしたの?」 則子は、不思議そうに蓬に聞いた。蓬は、明るく言った。 「お母さん!ちょっと散歩してきていい?」 「いいけど、あんまり遠くに行っちゃ駄目よ?」 則子は、心配そうに言った。蓬は、うなずいて言った。 「分かった!」 そう言うと、蓬は家から出て行った。誠は、則子に笑いながら言った。 「どうやら、蓬は気に入ったみたいだね」 則子は、誠を見て微笑んだ。
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