ひと夏の恋

3/11
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
~森林~ 蓬は、誠の家の近くにある森に来ていた。そこは、都会とは違いとても静かで、鳥の鳴き声もしていた。蓬がしばらく歩いていると、大きな木の下に1人の青年が座っていた。蓬は、その青年を見たとき、恋をしてしまった。しばらくその青年を見ていると、その青年が、蓬に気付いた。 「そんなところで何してるの?」 青年は、蓬を見て聞いた。蓬は、少し慌てて恥ずかしそうに言った。 「あ、えっと・・・」 「こっちにおいで」 青年は優しく言った。蓬は、恥ずかしがりながらも青年のもとに行った。 「見ない顔だね。君、名前は?」 青年は、蓬の顔をのぞき込んで言った。蓬は、照れながら言った。 「蓬・・・。梨宮蓬です・・・」 「蓬ちゃんか。かわいい名前だね」 青年は笑いながら言った。蓬は、青年に聞いた。 「あなたの名前は?」 「俺の名前は、益田亮成だよ」 亮成は、笑顔で言った。 「益田さん・・・」 蓬は、小声で言った。 「亮成でいいよ!」 亮成は、笑いながら言った。蓬は、少し恥ずかしそうに言った。 「亮成さん・・・でいいですか?」 「うーん。まぁ、いいよ」 亮成は、少し困ったように言った。 「亮成さんは、ここによく来るんですか?」 蓬は、亮成の隣に座りながら聞いた。 「うん。お気に入りの場所だからね」 亮成は、周りを見て言った。 「お気に入りの場所?」 蓬も、周りを見て言った。 「うん。だって、ここに来ると落ち着くからね」 亮成は、笑って言った。蓬は、大きく深呼吸した。そうすると、蓬は気持ちがとても落ち着いた。 「本当だ!」 蓬は、喜んで言った。亮成は、そんな蓬を見ると静かに言った。 「秘密だからね!俺たち2人の」 「あ、はい!」 蓬は、笑顔で言った。しばらくすると、亮成は立ち上がって言った。 「そろそろ、帰らなきゃ」 「あ、私も!」 蓬は、慌てて立ち上がって言った。 「明日も会える?」 亮成は、蓬を見て言った。蓬は、少しどきっとして言った。 「は、はい!」 「よかった」 亮成は笑顔で言うと、歩いて帰っていった。蓬は、その姿が見えなくなるまで、亮成を見送っていた。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!