ひと夏の恋

6/11

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
~森林~ 昼食を食べた蓬は、亮成に会うために再び森に来た。爽やかな空気を、胸いっぱいに吸い込み、蓬は走っていった。いつもの木の下で亮成は待っていた。蓬は、亮成を見つけると名前を呼んだ。 「亮成さん!」 亮成は蓬に気付くと、蓬のほうに来て言った。 「早かったね」 「あ、はい!」 蓬は、息を切らしながら言った。そんな様子を見て、亮成は笑った。蓬は、自分が走ってきたことが少し恥ずかしかった。 「走ってきたんだね」 亮成は笑っていった。 「あ、はい・・・」 蓬は恥ずかしそうに言った。亮成は、蓬の顔を見て言った。 「そんなに会いたかった?」 「えっと・・・」 蓬は、あまりの恥ずかしさに、うつむいてしまった。亮成は、そんな蓬を見て言った。 「俺は会いたかったよ。」 「えっ!?」 蓬は、驚いて言った。 「蓬ちゃんは?」 亮成は、笑いながら言った。蓬は、思い切って言った。 「わ、私もです!」 「よかった」 亮成は、蓬に微笑んだ。蓬はこのとき、2人の距離が縮まったと確信した。それと共に幸せな時間が出来た。そして、この時間が永遠に続くと思っていた。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加