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～森林～
次の日、蓬は落ち込みながらいつもの場所に来た。しばらくすると、亮成がやってきた。亮成は、蓬の顔を見ると、心配そうに言った。
｢どうしたの？｣
蓬は、うつむいたまま泣いてしまった。亮成は、蓬を慰めながら言った。
｢何があったか話してごらん｣
蓬は、少し泣きながら言った。
｢私・・・。明日には帰らなきゃいけないんです・・・｣
亮成は、蓬の言葉に動揺を隠せなかった。
｢えっ！？｣
｢ごめんなさい・・・｣
蓬はそう言うと走っていった。亮成は、その場で立ちすくんでいた。明日、蓬が帰ってしまうという事実を、素直に受け止めることが出来なかった。亮成は、蓬を捜すために走り出した。しばらく捜していると、うつむいて座っている蓬がいた。亮成は、蓬に優しく話しかけた。
｢蓬ちゃん｣
｢亮成さん・・・。ごめんなさい・・・｣
蓬は、うつむいたまま言った。
｢こっちこそごめん。いきなりのことで、驚いちゃって・・・｣
亮成は、蓬の前に座って言った。蓬は、顔を上げて亮成を見た。亮成は、蓬の頭を撫でて言った。
｢辛いよね・・・。泣いていいよ｣
蓬は、亮成の言葉を聞くと、再び泣き出した。本当は、亮成も蓬と会えなくなるのは辛かった。しかし、蓬を不安にさせないように、そんな様子を見せなかった。
｢ごめんなさい。でも、もう大丈夫です・・・｣
蓬は、涙を拭きながら言った。
｢よかった｣
亮成は、蓬を安心させるために笑顔で言った。
｢あの・・・｣
蓬は、恥ずかしそうに聞いた。
｢なに？｣
亮成は、不思議そうに聞いた。
｢今日一日、思い出作りしませんか？｣
蓬は、思い切って言った。亮成は、笑って言った。
｢いいよ｣
｢よかった｣
蓬も笑いながら言った。亮成は、蓬の手を掴んで言った。
｢こっちに来て！｣
そう言うと、亮成は蓬を連れて歩き出した。蓬は、不思議に思いながらも亮成についていった。
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