ひと夏の恋

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~丘~ 小高い丘にたどり着いた2人は、木の下に座り込んだ。そこは、日差しが少し差し込む程度で、暑くはなかった。蓬は、そこから見える風景に喜んだ。 「わぁ。すごい!」 その丘からは、辺りを一望できた。近くには、手つかずの自然が残っており、一面緑だった。 「いいところでしょ?」 亮成は、蓬を見て言った。蓬は、嬉しそうに答えた。 「はい!」 「気に入った?」 亮成は、嬉しそうに聞いた。 「もちろん!すごく素敵なところですね」 蓬は笑顔で言った。亮成は、カメラを取りだして言った。 「記念に写真でも撮らない?」 「はい!」 蓬は、嬉しそうに言った。 「でも、どうやって撮ろうか・・・」 亮成は考えながら言った。 「そうですね・・・」 蓬は、辺りを見回して言った。亮成は、蓬に言った。 「ちょっとそこで待ってて!」 亮成は、そう言い残すと近くにあった石のところに行った。蓬は、不思議そうに聞いた。 「なにするんですか?」 「まぁ、ちょっと待ってて」 亮成は、石の上にカメラを置きながら言った。亮成は、カメラのレンズ越しに蓬に言った。 「もうちょっと右に行ってもらっていい?」 「あ、はい」 蓬は、亮成に言われた通りに移動した。 「じゃあ、撮るよ!」 そう言うと、亮成はシャッターを押して、蓬の隣に走ってきた。2人が並ぶと同時に写真が撮られた。 「はい。これでおしまい!」 亮成は笑って言った。蓬は、嬉しそうに笑った。亮成は、カメラを取って言った。 「現像したら送るから、住所教えて!」 「あ、はい・・・」 蓬は、自分の家の住所を亮成に教えた。亮成は、持っていた紙にメモした。亮成は、書き終えると、蓬に聞いた。 「また、夜に来られる?」 「多分、大丈夫だと思いますけど・・・」 蓬は、考えながら言った。 「また、夜に来て。見せたいものがあるから!」 亮成は、笑顔で言った。 「はい!」 蓬も自然と笑顔で言った。
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