~それはほんのささやかな幸せの欠片~

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沖「ねぇ、一君ってさ、何で土方さんが好きなの?」  ~それはほんのささやかな幸せの欠片~ 斎「…何を、唐突に言いだすかと思えば…」 何と言うか… 唐突なのは今に始まったことではないにせよ、これは… これが嫉妬と言うものだろうか?と、脳裏に浮かんだ考えに、一人納得しているところに再び 沖「ねぇ、なんで?」 気付けば、問い掛ける相手の顔は目と鼻の先 半畳程の距離を置いて座っていたはずなのだが、いつの間にこんなに近付かれたのか… それも声を掛けられなければ気付くことなくそのまま… そこまで考えて、思わず俯いた 今、間違いなく、確かめる迄もなく、頬が赤いだろう… と、そこへ三度 沖「……ねぇ、まさか僕を空気扱いしたりしてないよね? それとも何?このまま本当においしく頂いちゃっていいの?」 斎「総司、それは…!」 沖「一君この後巡察だよね? でも供え膳食わぬはって言うし、お仕置きを兼ねて頂いちゃおうかなぁ」 斎「総司!昼間から…その……その様な事に現つを抜かし、巡察を怠ったとなれば、新選組の恥だ 土方さんに申し開きがたたん…今は控えるべきだ」 ニヤリ、と笑む総司に慌てて抗議の声をあげる ――が、 沖「その様な事って何? それに僕達って散々嫌われちゃってるし、居ない方が反って喜ばれるんじゃない? 土方さんなんてどうでもいいしむしろ土方さんこそ空気扱いされるべきだよね」 両の肩を押さえられそうになるのをその手を掴んで阻止する 組み合ったまま動かず、均衡しているかに見えるが、はっきりとわかっている事実が一つ 力で総司には叶わない それをわかっているから、今のうちに機嫌を直さねば…  
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