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別にそこまでして欲しいわけじゃなかったが、キスぐらいどうってこともないし、はぁ。とため息をついて、挑発するような目線を店長に向けたまま唇を押しつける。
「もーらい。」
甘ったるい声でハッとしたのか、店長は私を見上げている。
煙を吐き出すと、口紅の付いたタバコを「ハイ。」と店長に戻す。
店長も餓鬼だな。なんて思いながら更衣室に向かう。
「誰とでもそういうことしてんの?」
ちょっと呆れたような、期待をしているよな声が聞こえる。
「あたし時間がないんだけど?キスぐらい女の子とだってしてるわよ?」
チュ。何て酔っ払ってなくたって冗談ですることだってあるじゃない。
「いやならあんなこと言わなきゃいいのに。」
店長は何も言わない。
「店長は嫌いじゃないけど、本気になれないよ?ご飯食べに行くのも、ホテル行くのもいいけど、あたしは好きにはなれない。私を好きな人とはそういう関係になりたくないな。めんどいから。」
そう言い残して更衣室へ入った。
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