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「おぉそうだ」
川辺で夜を明かし、再び公孫賛のいる場所まで行こうかという時に、星が手を打って何かを思い出した。
「どうしたよ」
思い出してから、少し顔が「申し訳ないなぁ」という感じになっていた星に問う
「いや、実は共に旅をしていた二人がいたのだが、私は黄巾党を討つべく森に入り、二人は迂回して向かう手筈だったのだが・・・」
星は顎に手を当て考えると、ちらりとコチラを見てはまた考えだす。
「何かあるなら先に言ってくれ。気になってしょうがない」
「おや?月夜は乙女の悩み事に興味がおありか?」
置いて行っていいだろうか・・・・・・
俺がジト目で睨んでいると、さすがにふざけ所を間違えたと気付いたか、咳ばらいをして向き直った。
「二人は私より先に向こうに着く予定だったのだが・・・月夜の助けのおかげて予定より大分早くに終わってな、森を直進すれば恐らくは数日は早く着くだろう。しかし、あの二人は頭の才はあれど非力故に危険も多い、出来れば合流したいのだが・・・」
俺が一緒だから行きづらいと?
「俺は構わないよ。星の知り合いが危険な目にあう前に合流しよう。どうせ着いたら顔くらい合わせるし、それが早まっただけだ」
星は一度頷くと手に持つ愛槍(龍牙というらしい)を持ち直し一気に駆ける。
いきなりだったので若干出遅れたが問題ない。俺はすぐに星の横に付くと速度を星に合わせて走る。
星もそれに気付いたか、一瞬こっちを見たが微笑を浮かべて前に向いた。
森は意外にもすぐに抜けられ、二人は星の連れのもとへ走る。
方向が合ってるのかは知らないが・・・
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