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休み無しに走り続けてどれくらいたったか、太陽は真上に位置しその陽光を照り付ける。
「星・・・連れは見えたか?」
二人して息が上がっている中で、俺はそれを問う。
見えていなければこんなには急がないだろう。
二人の目の前には昨日よりは少ないが、黄巾党の連中が二人の少女を取り囲んでいた。
眼鏡をかけた少女が徐々に後ろに下がる様子を見ながら、俺は両手にグローブ・・・
「斬風-キリカゼ-」を着ける。
二人の内の口にキャンディーを加えた少女がこちらに気付いたようだ。
星は槍を構え直し、黄巾党の連中の中に突貫する。
「聞けぇ!!我は北方常山の昇り龍 趙子龍なり!!黄巾党が族共が!!我が名を聞いて敵うと思うならばかかってこい!!」
掛け声と共に槍の一閃。
不意打ちの一突きとそれに続く瞬速の槍捌きでまたたくまに黄巾党に混乱が生まれた。
その隙に俺は二人の少女を救出するべく姿勢を低く速度を上げた。
「早く安全な場所へ」
俺の言葉に二人は戸惑いながらも従ってくれ、星に集中して出来た隙間から二人を逃がす。
しかしやはりというか、邪魔はいるもので・・・
「逃がすかぁ!!」
二人の近くにいた大男が二人に剣を振り下ろす。
させないけどね~
剣の腹に拳を叩き入れて軌道をずらし、そのまま回し蹴りの要領で回転。
相手の腕に脚を引っ掛けて土台にし逆足の蹴りを側頭部に叩き込んだ。
「がっ・・・」
蹴りをくらいよろめいた隙にさらに畳み掛けるように鳩尾に拳を入れ、下がった顔面に膝。反り返った瞬間に喉に膝蹴りを当て倒れると同時に喉を潰して即死させる。
それを見ていた少女二人と周りの黄巾党はあまりの鮮やかさとそれをする月夜の美しさに停止し、月夜が少女二人を安全地帯まで抱えて下がらせると再び参戦。
次は鋼糸によりいきなり斬り刻まれる仲間にさらに混乱。
数時間後には星と月夜しかその場には立っていなかった。
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