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「ありがとうございました星さん」
風は肩で息をする星に笑顔を向けながらお礼を言った。
「いやなに、月夜の助けがなければ恐らく助けられなんだ。私もまだまだ未熟だな」
星が返すと、風は星の後ろにいた俺へと視線を移す。
「お姉さんもありがとうございます。危ない所でしたよ」
「お姉さんじゃない・・・俺は男だ!!」
「はーっはっはっは!!やはり月夜は外見は女のようだな」
俺の言葉に驚く風と後ろで爆笑する星。
あ・・・こらそこの眼鏡。
嘘でしょう?みたいな視線やめなさい。事実です。
「はぁ・・・まぁいい。二人が星の連れで間違いはないんだな?」
「うむ」
俺の問いに星が頷いていると、稟が慌てて詰め寄って来た。
「ちょっと!何故あなたが星の真名を口にしているのですか!?それに星も!この方は誰なのです!?」
稟の勢いに驚きながらも、星は問いに答えてゆく。
「ふむ。彼は鳳穿という。森で黄巾党と戦っている時に助太刀頂いた。我らと共に公孫賛殿の元へ行く。共に旅する仲間だ。真名を授けたが、彼は真名がないという・・・本人の希望により私が名付けた。彼は凄いぞ。昨夜森の川辺で夜を明かす際に簡単に風呂を造った。一緒に入ったが反応が面白くてな、つい悪戯をしてしまった。朝方余りに早く終わったので二人と合流すべく休み無しに走り続け、黄巾党の連中の中に二人を見つけ救出。今に至る」
星は俺との出会いから今に至るまでを言い終えると眼鏡少女の返事を待つ。
つうか悪戯だと!?
やっぱりワザとアレをやってたんだな!!
風は星の説明を聞いて一人頷くと俺に向き直りジッと見つめる。
そんなに見ちゃイヤン・・・
さーせん。
「ふむ。星さんが真名を授けたのなら安心ですね。お姉さん改めてお兄さん。風は性は程。名は立。字は仲徳。真名は風なのですよ」
いきなりの自己紹介に少し驚いた。
「いいのか?俺に真名を預けても」
「大丈夫です。お兄さんはいい人そうなので」
いい人そうかそうじゃないかで決めるのかよ・・・
「了解だ。俺は性は鳳。名は穿。字は慧樹。真名を月夜という。よろしくな」
俺も名乗り、握手のために手を差し出す。
風も解ってくれたのか握手に応じてくれた・・・が
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