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「おいおい兄ちゃん。月夜なんてホントに女みたいな名前だな。性別間違ってねぇかい?」
風の頭の上の人形から凄く・・・物凄く不愉快な事を言われた気がした。
「無視はよくねぇぜ兄ちゃん。いや姉ちゃん」
「ぶっ潰す」
俺は人形の頭を握り、徐々に力を籠めながら呟いた。
「おぉ!?止めてくださいお兄さん。宝慧も謝って謝って」
風の小さい手が俺の手首を掴んで抑止させ、頭の人形・・・宝慧に注意した。
「ほらほら稟ちゃんも、固まってないで自己紹介しましょう」
風は星の説明以降まったく会話に参加していなかった稟を呼ぶ。
俺もつられて視線を移すと
「ふ・・・風呂・・・・・・一緒に・・・お風呂・・・・・・殿方と・・・一緒に」
鼻から赤い滝を流しながら呟いていた。
正直に言おう!
結構怖いよ・・・
「あらら~。稟ちゃんとんとんしましょうね。とんと~ん」
「はっ!?あぁ、ありがとう」
風に介護されながら、稟は視線を俺に移した。
「ふむ。二人が真名を授けたのなら私も授けなければなりませんね」
個人の自由な気がするのは俺だけ?
大切な名前なんだよね?
神聖な名前なんでしょ?
皆結構適当な感じに授けてくれるね・・・
「我が名は郭嘉。字は奉考。真名は稟。よろしく」
稟は眼鏡の位置を直しながらクールに決めた・・・が、先ほどの鼻血で口元が真っ赤でしまりがないなぁ。
こうして、新しい仲間を得て俺は三国志の・・・ちょっと違うけど、旅に出た。
次は公孫賛か、時代は黄巾の乱。
どうなることやら・・・
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