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動かなくなったのを確かめる事なく、次の相手を探す。
アイシャ「はぁあああああ!!」
向こうでは、愛紗が青龍偃月刀を振り回し、敵を次々と切り裂いていくのが見えた。
そして、朱里と雛里に言われた事を思い出す。
――――――――――――――
トウカ「敵に私たちを追わせるってこと?」
シュリ「そうです。敵は私たちが、雑兵と思い向かってくるでしょう。そこで敵と激突したら、初撃をいなして隙を見て転進して下さい。」
ヒナリ「狭間があるこの場所は、数が少ない私たちにとって最良の場。そこで一気に仕掛けるため、前衛を率いる人は極力戦いを避けて下さい。」
「成る程、作戦はわかった。愛紗、君が前衛だ。いいね?」
アイシャ「御意!」
「鈴々は、後衛。愛紗が転進した後、移動してきた部隊の殿を頼む。そして、朱里。君には鈴々の補佐に着いてもらいたい。良いかな?」
リンリン「わかったのだ!」
シュリ「了解です♪」
「桃香は本陣を頼む。その補佐には雛里、君だ。桃香を助けてあげて。」
ヒナリ「はいっ!」
トウカ「まかせて♪けどご主人さまは?」
桃香のその言葉に、四人が俺の方を見る。
「俺?俺は愛紗と一緒に前衛だよ。」
すると、皆の顔が揃って渋面したものになる。理由はわかる。主の俺が一番危険なところに行くってのは、臣下の皆にしてみれば、嫌な事だと思う。
だけど、俺は決めたんだ。この時代で生きていくって。その為には、必要な事は何だってする。
「大丈夫だよ。桃香も鈴々も知ってるだろ?俺、何気強いんだぜ♪それに、愛紗っていう心強い臣下がいるし。」
俺の言葉にまだ納得行かないのか、皆は困ったような表情をする。
「約束するよ。俺は生きて戻ってくる。朱里や雛里にはまだ会ったばかりだし、もっとたくさん話したいしさ♪だから、な?」
それを最後に俺は自分の武器である、鋼の手甲と脚甲を着けていく。
俺の後ろでは、愛紗が皆に、ご主人さまは、私がこの命に変えても守る。等と言っていた。
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