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それを尻目に、愛紗と星が目を鋭くして、話していた。
セイ「愛紗よ、最近おかしな雰囲気を感じないか?」
アイシャ「星も感じるか。匪賊の動きが最近になって活発になっていることに。」
セイ「あぁ。ここ最近、匪賊の数が急に増加している。そいつらが、村を襲い、民を殺し、財貨を奪い、地方の方では既に飢饉の兆候も出ていると聞く。」
リンリン「国境周辺にも五胡の影もちらついてるって兵のみんなも言ってたのだ。」
そこに俺の周りをぐるぐる回っていた鈴々も話に加わる。
パイレン「大きな動乱が起こるかもしれない……か。」
「いや、間違いなく起こるよ。」
そうだ。これは匪賊だけに留まったことじゃない。いつか暴政に対する反乱にまでつながるんだ。
「その動乱の中で俺たちが為すべき事、そして、その立ち位置が問題になってくると思う。」
トウカ「そうだね……。」
桃香が小さくそう呟くと蒼い空を見上げる。
蒼い、蒼い空。だがその向こうには、暗雲ともとれる分厚い雲がやって来るのが見えた。
俺たちが次にやらねばならないことが段々と形になってくるのが分かり、戦いの余韻を引き摺る中で、鈴々が俺の手を繋ぎ笑いながら、
「鈴々にまかせろなのだ♪」と俺に、みんなに宣言する。それを苦笑で返し、今はこの戦で疲れた身を癒すため白蓮の城を俺たちは目指した。
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