二章 黄巾の乱

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「そうか……」 パイレン「あぁ♪だからお前たちは、早く兵を集めて来い。なぁに、今生の別れって訳でもなし。また直ぐ会えるさ」 「………そうだな。そろそろ俺たちも、自分たちの力で頑張ってみっか」 三人の方を向いて見ると、三人とも大きく頷いていた。 鈴々は楽しそうに。 愛紗は自分の力を試したいと思っているように。 桃香は、その全てを包み込んでくれるような、微笑みを湛えて。 セイ「ならば、街で手勢を集めて行けば良い。」 パイレン「お、おいおい星!」 セイ「伯桂殿、伯桂殿。ここが器量の見せ所、ですぞ。それに伯桂殿の兵は皆勇猛な者たち。義勇兵の五百人や千人、友のためだと思い、贈ってやるのが吉ですぞ。」 白蓮は星の口車に、渋々といった感じに頷くと、 トウカ「ありがとう白蓮ちゃん♪」 桃香に抱きつかれていた。 「俺からも礼を。ありがとうな白蓮。」 パイレン「ふ、ふんっ!星。武具と兵糧も出してやってくれ」 頬を赤くしながら、星に命令を出す白蓮に、苦笑を漏らす。 セイ「了解した。では東雲殿。一緒に参ろうか。」 「あぁ。わかった」 俺は星に連れられて兵站部へと向かった。 「さっきはありがとな星。」 兵站部への道すがら、俺は先を歩く星の背中に声を掛けた。 セイ「ん?あぁ……礼を言われるようなことはしておりませぬよ。」 星は、不適な笑みを湛える。それが、悪戯が成功した子供のそれに見えるから、面白い。 「アハハ。ならそういうことにしとくよ」 セイ「そうしてくだされ。………それより、東雲殿。黄巾党討伐に関して何か策のようなものがお有りなのか?」 一転して真剣な表情に変えて、星が問い掛けてきた。 「………ない、かな。」 今は義勇兵が何人集まるか、相手の情報、それらの事が先だと思うからなぁ。
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