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セイ「ふむ。」
「今の俺たちは、いくら愛紗や鈴々がいるからと言っても、まだまだ弱小だ。功を焦って全滅、なんてことにならないように、慎重に慎重に事を進めようかなって思うんだ。」
星は何か考える素振りを見せ、直ぐにそれを不適な笑みへと変える。
愛紗たちと違って、こいつは色気ムンムンだからなぁ………っていかんいかん!
セイ「フフフ。どうかしました、東雲殿?」
その全て見透かしたような態度がぁああ…
「な、何でもない。それよりも星、お前は白蓮の家臣にはならないのか?今は客将っていう立場なんだろ?」
話題転換に成功してくれ……
セイ「そうですな……。このまま伯桂殿の家臣となって共に乱世を戦いぬくか、はたまた新たな主を探すのか……今はまだわかりません。」
意外とちゃんと返してくれたなぁ……
星の顔を見てみると、真剣な顔を俺に向けていた。
「ふーん……。なぁ星。白蓮のとこから去ったらさ、俺らんとこに来ないか?てか、来てくれると嬉しい、かな。」
そうだ。正史通りなら趙子龍はこのあと劉備の下へ馳せ参じ、共に乱世を戦っていくのだから。
セイ「そのお言葉、嬉しく思います。ですが、伯桂殿にも恩がありますゆえ。その恩を返し終わったら。………フフ、東雲殿たちが私と同じ道を歩んでいられたならその時は。」
「うん。信じるよ。星が俺たちと同じ道を歩むと。」
星に信じているからこその笑みを浮かべて、そう返すと、星もいつもの妖艶な、不適な笑みではなく、本当の彼女の心からであろう笑みを見せてくれた。
セイ「えぇ。私もそう信じておりますよ」
そして、俺たちは兵站部のある蔵の方へと歩いていった。
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