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白蓮の城を出て、荒れた平野を進軍する俺たち。
各方面に斥候を放って黄巾党の動向を探っているのは、何を隠そう俺の指示だ。
いやぁ。元の世界で三国無双やっといて正解だな。
そんなことを考えていたからか、知らぬ間に笑っていた俺に愛紗の非難の声が掛かった。
アイシャ「ご主人さま!何ですかその体たらくは!もっとしゃんとしてくれなくては、兵たちの指揮に関わります。」
トウカ「そうだよ~ご主人さま。」
「う……ごめん。」
いつものんびりしている桃香にまで言われるなんて………
リンリン「あ~!お兄ちゃん怒られてる~♪」
緊張感ないのは鈴々もだな。よし、なら鈴々も巻き込んじまうか。
「愛紗、鈴々も……」
ギユウヘイ「申し上げます!」
その時だ。前方から走り寄ってきた兵の一人が、俺たちの前で跪いたのは。
ギユウヘイ「ここより前方五里のところに、黄巾党とおぼしき集団が陣を構えております!その数、約一万!」
「一万っ!?多すぎだろ……こっちは約六千だってのに!」
だけどここで引き返してしまっては、黄巾党討伐という大義を持って集まってくれた義勇兵の皆が、俺たちを見限ってしまうかもしれない。どうする……
?「だ、だだ、大丈夫です!」
「え?」
アイシャ「誰だ!!」
思考をしていると、近くから子供の声がしたと思うと愛紗が俺の後ろに周り、その声の主であろう子供二人?の襟首を持ち上げた。
?「ひゃあ…あぅあぅ……」
?「えうぅ……」
一人は肩までの金髪に可愛らしい帽子を被った女の子。
一人は銀色の長い髪を左右二つに結い、魔女が被るような帽子を目深に被る女の子。
?「お、下ろしてください。」
金髪の女の子が泣き声のような声を上げ、愛紗の顔を見る。
?「うぅ……」
銀色の髪の女の子は既に涙を目にいっぱいに溜め、何かの拍子で直ぐに泣くであろう。
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