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「愛紗、下ろしてあげなよ。まだ小さな女の子たちだよ」
アイシャ「し、しかしご主人さま!」
納得がいかない様子の愛紗に、ね?と笑みを向けると、不承不承二人の女の子たちを地に下ろした。
そして、銀色の髪の子は地に足が着くなり泣き始め、金髪の女の子に寄り添うようにしている。
金髪の女の子は、恐怖を顔に張り付け俺たちを見る。
「ごめんな。愛紗の今の行動は、俺の事を守ろうとしたものなんだ。決して悪気があった訳じゃない。だから、許してやって欲しい。」
二人の女の子たちは鈴々と同じくらい、俺の腹辺りの身長で、目の高さを同じにするため、しゃがんで二人を見る。
すると金髪の子が、
?「わ、わかっています!臣下の方が主君を守るのは当然のことですし。」
と早口にまくし立てる。
桃香、愛紗、鈴々の三人は、この二人の子たちを見極めようとしているのか、俺と二人の女の子たちの会話には入って来ない。
「うん。わかってくれているなら、それでいいんだ。俺は東雲光樹。君たちは?」
?「は、はいでしゅ!私は、姓はしょ、諸葛!名は亮!字は孔明れしゅ!」
「諸葛亮孔明……君が諸葛亮なんだ。」
蜀の知謀を司る、かの有名な諸葛孔明がこんな小さな女の子なんて………本当に何でもあり、だな。
コウメイ「は、はいでしゅ!」
「うん。えぇと孔明ちゃん。君の後ろで泣いている子は何て言うのかな?」
噛みまくる孔明は、俺が知っている孔明には到底見えない。だから、思わず笑みが浮かんでしまうのは、まぁ、仕方のない事なのだ。
コウメイ「え、えっとこの子は…」
?「ほーとう……」
孔明が焦りながら後ろの子の事を紹介しようと、口を開くと後ろの方で小さくそう呟いたのを俺は聞き逃さなかった。
「ほーとう、ちゃんだね。俺は東雲光樹。よろしく」
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