一章 桃園の誓い

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?「二人とも早く、早く~」 ?「お待ちください。桃香さま。お一人で先に行かれるのは危険だと何度言えば分かるんですか。」 ?「そうなのだ。お姉ちゃんはすぐに転んだりするから危ないのだ。」 広大な平野に三人の少女たちがいた。 一人は三人の中で中くらいの背で、腰まで届くくらいの長い髪を左右で少しだけ結い、後の大半を背中にながし、万人が万人可愛いと言う顔を満面の笑みで二人に向ける少女。 一人は三人の中で一番背が高く、腰まで届く長く綺麗な黒髪を一つに結い、周りを警戒しているのか切れ長の目をさらに鋭くし、端整で綺麗な顔もそのせいで相手をビビらせてしまうようなものとなってしまっている。 一人は三人の中で一番背が低く、活発であろうことが一目で分かる肩までの短い髪、そしてまだ子供だと誰でもわかる愛らしい顔をあきれたものにしている。 ?「鈴々の言う通りです。ここはまだ治安が悪く、いつ賊が襲ってくるか分からないのですから。」 トウカ「そうなのかな~?関雲長と張翼徳っていうすっごい女の子たちがそばにいるんだからきっと大丈夫だよ♪」 桃香と言われた中くらいの背の少女が、二人に振り返った。 リンリン「もちろんなのだ。お姉ちゃんは鈴々と愛紗が守るのだ。」 鈴々と言われた一番背の低い少女が子供、それも女の子が持つには相応しくないその背の3倍はする長く重いであろう矛をブンブンと振り回す。 アイシャ「鈴々!矛をむやみやたらに振り回すなと何度言ったら分かるんだ!」 愛紗と言われた一番背の高い少女が、鈴々という名前の女の子の頭に拳骨をしながら怒鳴る。 リンリン「いったぁ~!!」 拳骨をされた頭を矛を手放した両手で押さえ、涙目になりながら愛紗を睨む鈴々。 トウカ「まあまあ二人とも落ち着いて。ね?」 とそこで、桃香が鈴々の頭を撫でながら、二人の仲を取り持つべく愛紗の方にもその笑みを向ける。
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