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トウカ「むむむ…。愛紗ちゃんの私とご主人さまに対する視線が違う気がする。」
「何言ってんだよ。皆同じだろ?」
ヒナリ「あれはお二方に対する、心配光線なのでは?」
雛里にそう言われて、桃香と俺は揃って、確かに。と頷いたのだった。
――――――――――――――
光樹たちが黄巾党と激闘を繰り広げている場所から東方の場にて、その戦いを遠くから観ている者たちがいた。
?「華琳さま。ここより西方にて砂塵を確認しました。おそらくは黄巾党とどこかの軍が戦っているのだと思います。」
長い黒髪を後ろに流し、前の方に一本のアホ毛を出した赤紫の華服を着た女が、金色の髪を左右に結いクルクルにした自分よりも背の低い少女に敬語を使って話す。
?「この辺りの敵に目をつけるなんて、どこの軍かしら?」
華琳と言われたクルクルの金色の髪の少女が、砂塵の舞う方を観ながら答える。
?「主戦場より離れた地、だが実際にそこは戦略上、重要な拠点。愚かな官軍ではないことだけは確かです。」
?「諸侯の中にも、骨のある者がいた。ということでしょうな。」
そこに、ネコ耳のような帽子を被った少女と、先ほど華琳と言った女と同じようなデザインの青の華服を着て、前髪で片目を隠した女が続く。
カリン「なるほど……。一度顔を見てみたいわね。でもまずは目の前の躾のなっていないケダモノを、懲らしめてからにしましょうか。春蘭!秋蘭!」
華琳という名であろう少女がそう言うと、赤紫の華服を着た女と、青の華服を着た女が一歩前に出た。おそらく、赤紫の方が春蘭で、青い方が秋蘭であろう。
シュンラン、シュウラン「「御意!!」」
カリン「一刀は私のそばにいなさい。」
?「わかってるよ。春蘭、秋蘭頑張って!」
そして、今まで一言も話さなかった一人の少年。彼は東雲光樹と同じ服を着ていた。彼は何者なのか?一刀という名前で呼ばれていたということは彼は光樹と何かしらの関係があるのか?
それは今の段階では光樹も、この少年も知る由もない。
シュンラン「ふん。お前に言われなくともそんなことは百も承知だ。」
シュウラン「姉者、恥ずかしいのは構わんが、時には素直さも大事だぞ。言ってくるぞ北郷。」
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