二章 黄巾の乱

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トウカ「愛紗ちゃんたち……大丈夫だよね?」 ヒナリ「はい!きっと大丈夫です。」 桃香を安心させるため、雛里が桃香の手を、その小さな手で包むように優しく握る。 「雛里の言う通り。愛紗たちなら大丈夫だ!何たって関雲長と張翼徳の二人何だから。」 そう。あの関羽に張飛ならこんな戦い、朝飯前な筈。 そして、俺が言い終わったのを、見計らったように前方で砂塵が舞いながら、たくさんの人の走る音、馬の蹄の音が聞こえてきた。 「愛紗たち、ちゃんとやってくれたみたいだな。よし!愛紗たちと合流後、敵を一気に押し返す!」 兵たち皆にそう指揮し、愛紗たちの合流を待つ。 少しして、愛紗が馬を走らせやってきた。だがそこには、鈴々と朱里の姿はない。 トウカ「愛紗ちゃん!鈴々ちゃんと朱里ちゃんは!?」 アイシャ「二人とは狭間に入る手前で別れました。」 ヒナリ「成る程。朱里ちゃんの策ですね?」 雛里は一人納得したのか、二人の心配はせずに問う。 アイシャ「あぁ。この狭間で私たちが敵と激突している時に、後ろから突撃してくるらしい。」 そうか、挟み撃ちか!流石、諸葛孔明。頭がいい! 「なら俺たちは二人が来るまで、敵を引き付けておこう。そして、鈴々たちが後ろから来たら総攻撃だ!」 ミンナ「「応っ!!」」 俺と、愛紗は兵を引き連れ黄巾党に向かって突進する。 槍を突いてくる敵の攻撃を見切り、手刀をその槍を持つ部分に落とし、怯んだところに鋼の脚甲を上段蹴りで顔面に打ち下ろす。 休む暇なく今度は、左右から槍を突いてきた。それを、一歩後ろに下がる事で避け、同士討ちをさせる。 周りを見ると、兵たちがきちんと最初に言った、三人一組を守り戦っているのを知る。それに満足して、俺と組んでいる兵の二人を引き連れて、敵の奥まで突き進む。一見、俺たちだけが突貫しているようだが、実は違う。
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