897人が本棚に入れています
本棚に追加
興奮冷め遣らぬ俺たちは、黄巾党が陣を引いていた場所に移動し、戦に必要な兵糧を確保、また持ちきれない物は破棄した。
これで、この場所から黄巾党は他の部隊への物資補給が出来なくなった。
リンリン「鈴々お腹が減ったのだぁ……」
鈴々は着くなり地面に座り込み、腹からは大きな音が鳴り続いている。
それを皆で笑った後、ここで休息を取ることにした。
鈴々は凄い勢いで、食べ物を口へ掻き込んでいく。
「り、鈴々。す、凄いな………」
アイシャ「お恥ずかしい。こいつには、桃香さまと三人で旅をしている時から、困らされていまして……ハァ~」
愛紗は鈴々を見ながら溜め息を吐いた。桃香たちが貧乏だったのが、わかった気がする。
トウカ「でもでも、鈴々ちゃんの食べっぷりを見てると、何か幸せな気持ちになるんだよ♪」
まぁ確かに、あんなに嬉しそうにして食べる人、俺もはじめて見るかもしれない。
シュリ「鈴々ちゃん。これも美味しいよ♪」
リンリン「モグモグ……ッゴク。あーん、モグモグ……」
鈴々は朱里が箸で持った青椒肉絲を口の中に有るものを飲み込んで、直ぐにパクついた。
朱里も嬉しそうにしている。
俺が二人を見て笑っていると、袖を引かれた感じがしたので左の方を見ると、雛里が俺に焼売を箸で持ち、何かを期待するようにしていた。
「雛里、これ…」
ヒナリ「あわわわ…え、えと、ご主人さま。こ、これ…」
恥ずかしそうに、あちこちに目線をやり、それでも焼売を持つ箸は下ろさない。
そんな愛らしさに、もし妹がいたらこんな感じなのだろうか。と、そんな事を考え、俺は素直に焼売を口に入れた。
「うん、美味しいよ雛里。ありがとう」
そう言って頭を撫でてあげると、頬を赤くして嬉しそうな顔をしてくれた。
だが、それを見ていた他の面々は面白くない顔をすると、各々料理を箸に持ち、光樹に差し出した。
最初のコメントを投稿しよう!